『来る』

※小さな小さな原作ネタバレ(?)あり


今さらだけど観ましたー。血迷ったというか、腹括ったというか?虫が沢山でるというのは覚悟の上で、ようやくレンタルしてきました。

予想以上でしたわ。虫。

開始早々に、「うっわ早速でた!」で、一息つく間もなくまた。ほんの1分ちょっとで二回も。

ありえへん。ひどない?

それからもまあでるわでるわ。秀樹の子供時代のシーンになるともう身構えるほど。そのたんびに目を瞑ったり顔を反らしたりで、結構なシーンを見逃してしまったんじゃないかと思います。


まあそれはともかく。

めちゃくちゃ面白かったです。好き。もう五回はみた。ホラーというより人間の業というか醜さ弱さを強調された物語でした。先に原作を読んだので大体の流れはわかっていたつもりでしたが、映像でみると秀樹ひどいなー。妻夫木ムカつくなー。でも秀樹の同僚や友人もなかなかクズ揃いですなー。法事の場面、結婚式や二次会、ホームパーティの描写がまあ酷い。人間の醜いとこをすごい角度で切り取ってる。つらいなー。
最初はね、この役を岡田にやって欲しかったんです。だってクズじゃん秀樹。あからさまな悪人ではない、普通の社会人で普通の人で、その欠点もまあありふれた感じのちっちゃく嫌なやつ。無神経だけど命をかけて妻子を守ろうとした点で評価がプラマイゼロになったって感じですけど、あれ自分由来の怪異だとわかってるからだからね。狙われてるのは自分で、妻子は巻き添えだとわかってるからこそ必死で頑張るのであって、もしも自分でなく嫁の子供時代に関係あるのだったらあんなに頑張っただろうか?あいつは娘つれて自分だけ安全圏に逃げる、間違いなく。俺と知紗を巻き込むなとか言っちゃう。あの男は言う絶対。岡田こういう役やって欲しいなー。『陰日向に咲く』の役(シンヤだっけ?)以来のクズ役見せて欲しいなー、野崎は特にこれといって特徴ないしなー。
まあ実際観てみたら程よくゲスくて程よく薄汚れてて全くの役立たずで、映画版の野崎はこれはこれで良かったかもです。女を妊娠させ中絶させ別れた過去を引きずってる設定には「繊細すぎか」って思わないでもないですけど。

あと香奈。旦那がバカで追い詰められるのはわかる、つらいよねー。病むよね。あの男クズだからさ。でも死んだ後はさ。死別なら金銭的には比較的苦労は少ないかもしれないし、現にあの豪華なマンションにそのまま住めてんじゃん。育児と仕事の両立は大変だけどあんな追い詰められるまで仕事しなくても良かったんじゃないかなー。職場に子供つれてくなんて伊集院でなくても嫌な顔するわ。伊集院別に無茶なこと言ってないからね?でもまあ生い立ちとかいろいろと…メンタルで問題あったのかもしれない。野崎が置いてった盛り塩を、お見送りしながら笑顔で踏み潰すシーンはぎょっとした。黒木はるちゃんほんと演技上手いよねと思った笑顔でした。

で、松たか子が登場してからの後半戦。宗教アベンジャーズと評されるあれです。やっぱかっこいいね、盛り上がるね。女子高生の巫女達や大鳥神社の神官達もっと見たかったね。神官さんの一人、マジで声がいい。渋い。で、お経や祝詞真言が同時に響くんだけど映像に合わせて音量が調整されるのが細かいね。カメラがズーッと動いて神官が映れば祝詞が、仏僧が映ればお経が大きくよく聞こえるの。「鶏が鳴く」シーンはゾクゾクしました。なのに、琴子の仕切りであれだけの人間が集まり計画的に動いてるのに、ここぞという場面、その肝心の琴子の周りで真琴や野崎がごちゃごちゃごちゃごちゃと。

素人は排除しとけ琴子ーーー!!

可愛い巫女達が死んだ(死んだのか?)のはおまえ達のせいだぞ野崎&真琴ー!足を引っ張りやがってこの!あー鏡割りやがった野崎め!商売道具!でも役立たずな岡田は斬新で好き!松たか子にビンタされて吹っ飛ぶ岡田ざまあ!シュッシュッシュッシュッスプレー過ぎだぞ岡田!ついでに激怒した妻夫木が怒号と共にドアをバンッてあけて出てきた時のミーアキャットみたいな岡田可愛い!

話がそれちゃった。ラストは賛否両論だったらしいですが、「あれ」を完全に退治できたのか一時的なのか、琴子は生きているのか、知紗は完全に解放されたのか、いろんなことが曖昧なままなのでそりゃスッキリはしない。スッキリしないよー。知紗可愛いからまあいいけどー。

一つだけ気になるのは、秀樹の幼なじみの女の子の名前が明かされなかったこと。秀樹の母が二度、そして琴子もその少女の名前を訊ねている。大事なんです。名前。最初はそこもちゃんと触れる予定だったのかなと思います。

『知紗』なんです。女の子の名前。秀樹は無意識のうちに、失踪したその少女の名前を我が子につけた。もう…ヤバイだろー!秀樹ィ!

今日返却しなきゃなので最後にもう一度観てます。一番好きなのはOPのワンシーン、河原でおそらく祝詞をあげてる神官達を空撮しているシーン。背を丸め気味なのでむしろ項垂れる罪人のようにも見える神官達。人智を越えた力の前では人間などちっぽけなもんなのだとしみじみ思える良い画です。あー返却すんのやだなー。