HELLO

アニバコンのトリプルアンコで歌われたHELLO。

新曲としてテレビで主に披露されたWait for you とメンバー作詞で話題になった~此処から~と違いちょっと印象の薄かった新曲。WOWOW番組でも収録されなかったので今回のBDで初めて聴きました。

もの静かだけどとても良い曲。

ただ、誰が誰に歌ってるの?

呟くような歌声の「あなた」は誰で、そんなあなたを覚えていられそうだと思っているのは誰?

こぼれ落ちる速さであなたの顔も忘れてしまいそう?って誰が誰に訊ねているの?誰の顔を誰が忘れそうで、そしてそれを気にしてるのは誰?

「あなたの顔も忘れそう?」って誰かに訊ねるのは相当変だ。あなた自分の顔忘れそう?って聞いてる状況だもんね。「あなたの顔も忘れそうです」と相手が言い、思わずオウム返しで「あなたの顔も忘れそう…?えっあっそうなの…?」と呟いてる状況なんだろうか。

ここ疑問形じゃなかったら良かったのに、と思うのは個人的な感想です。

例えば2度と会えなくても、2度と話せなくても、と別れはまだ確定はしていないようで、それでいて「届いていますか」「気付いていますか」とは随分距離のある言葉だ。顔も忘れてしまいそうなほどの浅い関係で、もしかしたら一度か二度会った程度なのかもしれない。また会うこともあるかもしれないが、自分ではどうにも出来ないし、しようと思わない。

ただ、相手が今も「歩き続けている」ことを願い、自分が「歌い続けている」ことを、音楽が鳴り続けていることを伝えたいと思う。

時は流れて景色は変わりゆく、それでも自分は変わらず歌い続けるのだと誰かに伝えたい。2度と会えないかもしれない誰かに。


もしかして、呟くように歌う誰かを思う健剛パート含む一番(A)と、誰かに顔を忘れられそうなイノ博パート含む二番以降(B)は視点が別人なのかもしれない。

歌い手であるBに対しAが、歌声とメロディは覚えていられそうだと思い、今も歩き続けていて欲しいと思っている。そしてそんなAに対しBは、顔は忘れそうなの?と突っ込みつつ、寛容に穏やかに、歌い続けていることを伝えたいと思っている。

あなたはいなくなったけど、あなたの知っていたこの場所で、今も自分は歌い続けている、と。


Wait for you が自分達の過去と現在を歌い、此処からがV6メンバー同士のお互いに向けた言葉であるならば、これはV6とファンの歌なのかもしれない。20年の間に現れては去っていったV6ファンへ向けた言葉なのかもしれない。

なんとなくV6を好きになり、そしてなんとなく去っていったファン達への惜別と感謝。20周年アニバコンの最終日でありデビュー記念日である日の最後にこの歌で締めることの意味。

お約束で一番最後にはける健ちゃんの投げキッスと笑顔と「バイバイ」の美しさ。

本当に、去年たまたまV6を好きになって、偶然アニバイヤーで、この一年とても輝いていた彼らを目撃できて、すごく運が良かった。私。間に合って良かった。その分リアルの生活がボロボロだったけど、運をこっちに回しちゃったね。でも後悔はしていない。ありがとうV6。


…いつか気紛れでV6から離れても、ふとHELLOを思い出すことがあったら私は泣くと思う。ヤバイな、その時は全速力で舞い戻るの確実。V6の元へ。6人の元へ。